桑のこと

桑

概要

 桑は、クワ科クワ属の総称です。桑の葉はカイコの餌として古来重要な作物であり、また実は果樹としても利用されています。
 落葉性の高木で、大きいものは15mにも達しますが、普段見かけるのは数m程度のものです。
 葉は薄く、つやのある黄緑色で、縁にはあらい鋸歯があります。大きい木では、葉の形はハート型に近い楕円形をしていますが、若い木では、あらい切れ込みが入るものを多く見ます。
 春に開花し、初夏に果実が赤黒く熟し甘くなり、食用に適します。ラズベリーのように柔らかい粒が集まった形で、ラズベリーよりやや細長い形状です。(参考:ラズベリーはバラ科キイチゴ属)

歴史

 古代バビロニアでは、桑の実はもともとは白い実だけとされていました。ギリシャ神話の悲恋により、血が白い実を赤く染め、大地に染みた血を桑の根が吸い上げて紫になった、という話が伝えられています。
  養蚕発祥の地は中国で、5000年以上の歴史があり、日本には紀元前200年くら いに、稲作と同時期にもたらされたと考えられています。
 江戸時代には、幕府が全国に養蚕を推奨したことから、各地で殖産興業として蚕業が栄え、明治時代には日本が世界一の絹の生産量を誇り、生糸は主要な輸出品となり、外貨を獲得する大きな柱となりました。

歴史

効能

  • 生活習慣病の予防
    (高血圧、高脂血症、糖尿病など)
  • がんの予防
  • 中性脂肪の上昇抑制効果
  • 食後の高血糖抑制効果
  • ダイエット効果

 およそ1800年前の中国の薬物書「神農本草経」にも薬効が書かれ、古くから生薬として用いられてきました。漢方では、せき止めやぜんそくに効き、血液の流れを良くしたり、滋養強壮の効果があると言われています。
 現在では様々な機関で調査・研究がされており、桑の有用性が科学的にも明らかになってきています。

桑の葉の成分

 桑の葉には、豊富な栄養成分がバランス良く含まれています。特に、鉄やカルシウムなどのミネラル成分が多く、また、ビタミンB1、カロチン、フラボノイドなど様々な成分が豊富に含まれています。

桑の乾燥葉100g中の含有量

桑の葉の成分

他食品との比較

桑の葉の成分

※1996年神奈川県科学技術政策推進委員会発表「機能性食品における共同研究事業報告」データより

繭(まゆ)の成分

 蚕が作り出す繭(シルク)は、現在サプリや化粧品の原料として、美容界で注目されています。
 繭はフィブロイン(70%)とセシリン(25%)という2つのたんぱく質を中心に構成されています。そのうちのセシリンは水に溶けやすいため、絹糸となる時点ではほとんど残っていませんが、人間の皮膚に近い成分であるため、化粧品の成分として注目されています。
 フィブロインは良質のアミノ酸が豊富に含まれており、最も多いのはグリシンで全体の46%を占めます。次にアラニン30%、セリン11%、チロシン5%、その他が8%となっています。
 グリシンとセリンは血液中のコレステロール濃度を下げる作用があり、アラニンは肝臓機能を強化し、アルコール代謝を促進させ、チロシンは痴呆症予防に効果があるとされています。

繭(まゆ)の含有割合

桑の葉の成分
桑の葉の成分
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